いつか欲しい(17) 藤田美術館所蔵 曜変天目茶碗
南宋の時代に中国で作られた茶碗。写真の物は現存する4つの曜変天目の中の一つ藤田美術館所蔵の物。国宝。
天目茶碗とは鉄の釉薬をかけた陶器製の茶碗。曜変とは、予想しなかった表情に焼きあがるという意味の窯変が転じて星を意味する「曜」の字を当てたもの。
乱暴に言えば夜空のミニチュア。それも、手の平に収まっていながら宇宙の深淵を覗き込めるような神秘性と、これを再現する技術が失われているという合わせ技で国宝になってしまった、という注釈付き。夜空というモチーフを意図して作っていたにしても、そうでないにしても形の無いものを茶碗に封じ込めてしまう所に、大陸の人間の業の深さと途方もないスケールを感じる。
画像引用元
藤田美術館の至宝 国宝 曜変天目茶碗