いつか欲しい(16) 肉形石

台北市にある国立故宮博物院所蔵の豚の角煮を模した彫刻。f:id:natutoyuuki:20120425163728j:plain:right:h270

彫刻と言っても手を加えているのは大体が表層部分というか皮の部分。多分ニスを塗ったりしてるだろうけどほとんどが、石材そのものの表情を残している。

まず、皮部分の透明感は醤油がしみ込んでぷるっとした食感を想像させる。そして、下層部の黒い点の胡椒をまぶしてあるように見える一手間感、テリの部分は奥歯でギュッと噛みしめると肉汁がじゅわっと溢れだしそう。画像だとわかりにくいけど、高さ5cm×横6cm位なので角煮単体としてはボリュームがあり、それでいながら一口で頬張ってみたいサイズ。驚くのがこれが全部、石の説明という所。

松井優征の漫画「魔人探偵脳噛ネウロ」という漫画の主人公・桂木ヤコが「私コンクリートでもバターと醤油で炒めたら食べられると思う(15巻)」と言っていて、その気持ちがこの豚の角煮そっくりな石を眺めていると理解できそうになる。

それにしても、これを作った彫刻家はどういった気持ちでこれを作っていたのだろう、と考えると空腹を禁じ得ない。腹を鳴らしながら目を血走らせて「僕の考えた最強の角煮」を追い求める求道者だったに違いない。それにしても豚の角煮でなくてもいいから厚めのチャーシュー、豚バラ肉を食べたい。

画像引用:
国立故宮博物院-コレクション > セレクション > 珍玩 > 肉形石

参考:
肉形石 - Wikipedia
台北故宮展の「肉」と「白菜」がナゼお宝なのか理解しかねる人のために、素晴らしさを説く!