桐島、部活やめるってよを見た。
色んなところで評判の良い「桐島、部活やめるってよ」を視聴しました。
視聴した当初は、冴えないという設定の映画部の前田と、イケメンという設定の石野卓球みたいな眉毛の菊池の「何者かになっていく者」と「何者でも無くなっていく者」の対比の物語なのかなーと思ってた。というか今でも思ってるけど。
ただ、考えれば考えるほど、対比云々以上に物語上、視聴者(俺)の期待に対する裏切りの物語という部分も強く感じられる映画でもあった。
菊池は言わずもがなで、野球部部長の信頼を裏切っていく。映画開始当初は冴えない印象の前田も、部員からの信頼もあることがわかり、自分のやりたいことも現実も見えていた。視聴者というか俺との心のかい離が物語が進行するほど明らかになっていく物語でした。菊池はイケメンだから端から感情移入できないし、特に前田は心のイケメン度が後半上昇していって真綿で首を絞められるように自己投影できなくなっていくし。最終的に孤独感しか感じられなくなってしまった。ひどい物語だよ!
そこを考えると、Kick-Assは偉い。最後まで彼女のできないキャラクターがきちんと存在していて、心の逃げ道を残しておいてくれるんだから。マジ優しいと思う。
そういった部分も含めての
「それでも、オレたちはこの世界で生きていかなければならない」
なんだろうな。
それから、シネマハスラーの宇多丸の「誰かと語り合いたくなる映画」というのは大いに納得できる表現だったと思います。
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