金曜ロードショー 風立ちぬ 2回目

風立ちぬ [Blu-ray]

堀越二郎の半生を描いたジブリアニメ。放送後ツイッターを見ていると「美しいものにしか興味を持てないのがこの映画の主人公」とあって腑に落ちると同時に、恐ろしくも感じた。

一見、奥さんとのなれそめから別離はラブストーリーとして切なく美しく見える。が、二郎の元を離れたのは、そういった性格をわかっていたから。愛している男から嫌われないために、醜くなっていく自分を目に触れさせないために、という悲しい決断だと思うととてつもなく残酷な物語に変貌する。

そんなことを思っていたら下のリンク先に全部書いてあった。

『風立ちぬ』を見て驚いたこと - sombrero-records.note

ここを読んでピラミッドの下りがなんのことか、ようやくわかった気がする。絶対の権力者、実力者、天才が下の人間を搾取しつつ美しい物を作ることの是非の事だったのか。

自分が最下層側の人間というのは理解はしているので、そんな世界で生きていたくないと思いつつも、目に見える物、手に触れられるものについては中央集権的というか一人の人間のエゴで完成させてもらいたいとも思う。

それにしても、この薄皮一枚の向こう側にエグイ世界が潜んでいる、「崖の上のポニョ」にも見られる芸風、嫌いじゃない。

 

ゲルニカ2019

 

 細かい説明は省く。

 例えるなら別の世界線の解体新書。杉田玄白と喧嘩別れした前野良沢*1が、自身の正統を主張した解体「真」書を出版して、玄白ファンから「説明書」*2とか「エルムドアから源氏シリーズ盗めない。こっちの方が死の天使だわ」*3とか罵倒されてる世界を見ている様な作品だった。

 この動画については前作の痕跡を丁寧にすりつぶしていく職人芸(前作主人公との別離のシーンで1期OP曲をかぶせてくるシーンは見事過ぎて素直に感動すら覚える)、対する1期ファンのあてどのない憤怒と悲しみ。そのエネルギーの総量、相思相憎のぶつかり合いが「貞子vs加耶子」のエネルギーに満ち溢れたカタストロフなクライマックスシーンを見ているようで不謹慎とは思いつつテンションが上がってしまう。

 

貞子vs伽椰子

貞子vs伽椰子

 

 

*1:この辺の物語は2018年の正月ドラマ「風雲児たち蘭学革命篇~」でしか知らない。

*2:ファミ通から出ていた攻略本のシリーズ「解体真書」。その中でソフトに入っていた本来の説明書に必要な操作説明が書かれていなかったカルトゲー、アンリミテッド:サガ解体真書の愛称。発売から1か月ほどで中古価格が3桁価格で店頭に並んでいたが、その後再評価されていたらしく(よく訓練されたファンからの布教活動とも言える)アマゾンの中古価格では2500円ほどで売っていたりもする

アンリミテッド・サガ 解体真書

アンリミテッド・サガ 解体真書

 

 

*3:旧スクエアのPS用ソフトファイナルファンタジータクティクスの攻略本「FFT大全」。書かれていた情報に致命的な誤りがあった為、強力な武具を入手するための熱心なファンの時間を数時間~数十時間無駄にさせた。個人的には艶の無いさらっとした触り心地と金の箔押しのタイトルの表紙カバーが気に入っていた。

詳しくはこちら

“FFT黒本”「小数点以下の確率で盗める」21年目にして驚愕の事実発覚か 「スクウェアが資料にうそを入れた」 - ねとらぼ

ファイナルファンタジータクティクス大全

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